TikTok企業アカウントの運用事例6選!運用ポイントも解説!
TikTokは2016年のリリース以降爆発的に普及し、現在ではその普及に伴い企業の参入も多くなっています。
しかし、参入する企業が増えるにつれて競合のレベルが上がり、運用の難易度が上昇しているのも事実。
そこで、この記事では成功しているTikTokの企業アカウントの運用事例を具体的にご紹介し、それぞれの運用のポイントを明らかにしていきます。
ぜひご自身のアカウント運営に活かしてみてください。
なぜ企業がTikTokを運用するのか
TikTokで企業アカウントを運用するポイント
実際の運用事例とそれぞれの企業の運用ポイント
これから企業アカウントを開設しようとしている人
企業アカウントの運用ポイントを知りたい人
企業アカウントの運用に苦戦している人
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- プロが実践する!TikTokのフォロワーの増やし方とは?【2023年最新版】
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目次
企業がTikTokを運用する理由
フォロワー以外にも広く認知してもらえる
TikTokは拡散性が高いプラットフォームなので、フォロワー以外のユーザーにも広くリーチすることができます。
企業がその認知度を広げる施策としてSNSは一般的になりましたが、他のSNSと比較してもTikTokの拡散性は非常に高いです。
フォロワー数に関係なくバズる可能性がある
TwitterやInstagramの場合フォロワー数が増えなければバズる可能性が低いですが、TikTokの動画はフォロワー数に関係なくバズります。
例えば、動物園ノースサファリサッポロさんのTikTokを見てみましょう。
8月30日:13,000フォロワー
9月3日:18,200フォロワー
(4日間で5,200フォロワー増加、増加率40%)
2020年5月の初回投稿から1,000〜数万回再生の動画が多く、フォロワーが増えていませんでしたが、2022年8月末の動画が100万回近く再生されたこともあり急激にフォロワーが増加しています。
TikTokはフォロワー数に関係なくこのようなバズり方をするので、アイデアひとつで人気アカウントにのしあがる可能性があるのです。
広告の受容性が高い
TikTokは広告の受容性が高いことが特徴です。
TikTok For Businessによると、TikTokは強制されない環境だからこそ、ユーザーが広告に対してポジティブな印象を持っているとのこと。
また、TikTok For Businessにて独自に行われた調査の結果でも、『広告動画はつい最後まで見てしまう』と回答した人が、他プラットフォーム平均の143.8%と非常に多くなっています。
このように、TikTokは広告の受容性が高いプラットフォームであるため、企業は自社の宣伝を効果的に行いやすくなっています。
TikTok企業アカウントの運用ポイント
TikTokのトレンドを押さえる
TikTokは動画投稿の仕組みや導線が、トレンドを生みやすい構造になっています。
デュエットやリミックス、バズがきっかけとなり、コンテンツや音楽、ハッシュタグのトレンドが生まれていくのです。
TikTokは主に以下の基準でユーザーの反応を測定していると言われていますが、トレンドを押さえた投稿はユーザーの関心が高いため、これらの基準で良い数値を出す可能性が高くなります。
- 視聴完了率:視聴者のうち動画を最後まで見た人の割合
- いいね率:視聴者のうちいいねした人の割合
- コメント率:視聴者のうちコメントを書き込んだ人の割合
- シェア率:視聴者のうち他の人に共有をした人の割合
その結果、トレンドを押さえた投稿はバズりやすくなるわけです。
例えば、TikTok Japan【公式】noteで#チグハグのトレンドに関する情報が掲載されていたのですが、株式会社BEEMはそれに合わせた投稿でトレンドを押さえていました。
TikTokのトレンドについての情報は、TikTok Japan【公式】noteで定期的に発信されているので、参考にすると良いでしょう。
企業の個性を全面に出す
TikTokでユーザーが求めているものは、“信じられる”リアルだと言われています。
“信じられる”リアルとは、『純粋な動機(Pure Motivation)』『一面だけでない、カッコ悪いところも親しまれる人間味(Real Humanity)』『みんなで楽しめるポジティブな環境(Positive Community)』という大きく3つの要素で形成されています。
TikTokは、ユーザーが自分の失敗をそのままさらけ出し、その失敗すら楽しんでいる場所です。純粋でありのままの姿を出した方が、再生数が伸びたり、ユーザーがコメントでアドバイスをくれるなどエンゲージメントが高まる傾向にあります。TikTokは、プライベートな空間でも飾らずにありのままを撮影しているユーザーが多く、そこには人間味が溢れています。静止画のように切り取られた一瞬ではなく、TikTokの動画には、その一瞬の前後や裏側まで見えるため、リアルな人を感じることができます。
また、SNSのトレンドも変化しており、他者を意識した「盛り」文化や承認欲求よりも、自分が楽しみ、みんなと楽しさを分かち合いたいという意識へと変わってきています。飾らない日常を切り取ったり、カッコよさとカッコ悪さの両方を見せたり、ありのままの自分を見せるところが“信じられる”リアルにつながっています。
出典:【TikTokユーザー白書 第2弾】 “信じられる”リアルを求めるユーザーに有効なアプローチとは!?
このような“信じられる”リアルが求められている中で、企業に個性があることは強みとなります。
企業が持っている個性を全面に出し、ありのままを表現すると良いでしょう。
運用目的を明確にしておく
SNSは簡単に運用を始められるだけに、目的が抽象的なまま運用を始めて、後から困るパターンが意外とあります。
『運用目的がTikTokに合致していない』というのは本末転倒なので、TikTokを運用する目的は何か明確にしておきましょう。
TikTokはプラットフォームとして『拡散性が高い』『エンゲージメント率が高い』『広告の受容性が高い』という特徴を持つため、以下のような運用目的と親和性が高いです。
- 企業や商品の認知度向上
- 企業や商品のブランディング
- 低価格商品の売上向上
もしも、TikTokが運用目的に合わないプラットフォームである場合は、他のSNSを検討しましょう。
TikTok企業アカウントの運用事例6選
それでは、TikTokの企業アカウントについて、運用事例6選をご紹介していきます。
・【公式】ドミノ・ピザ
・株式会社BEEM
・ロート製薬【公式】
・三和交通@TAXI会社
・焼鳥どん日垣兄弟
・川崎ブレイブサンダース
それぞれアカウントの運用ポイントを明らかにしているので、ぜひご自身のアカウント運営に活かしてください。
【公式】ドミノ・ピザ
【公式】ドミノ・ピザの運用ポイント
・動画の完成度の高さ(動画編集+音楽)
・フォロワーとの交流
・属人性のない運用
TikTokの企業アカウントでも有数のフォロワー数を誇るドミノピザ。
ピザを仕上げる過程を中心に投稿しており、編集や音楽を工夫することで完成度の高い動画を制作しています。
流行の曲やハッシュタグを押さえることで、効率的にバズも生み出しています。
これだけフォロワーが多い中でも交流を大切にしており、コメントへの返信やユーザーへの質問を積極的に行っていることも、再生数に貢献しているでしょう。
また、投稿全体としてピザが主役となっており、出演者の顔出しがありません。従って属人性がなく、あらゆる人が出演可能となっています。
株式会社BEEM
株式会社BEEMの運用ポイント
・個性を全面的に出した企画とコンテンツ
・ユーザーを飽きさせない動画設計
・TikTokのコンテンツをYouTubeショートとInstagramリールにも投稿
株式会社BEEMはTikTok上で『日本一のブラック企業』を名乗る会社です。
2020年3月に設立された会社で、TikTokは2020年9月から投稿を開始。個性を全面に出したネタ系コンテンツがバズり、企業アカウント最速でフォロワー獲得数50万人(2021年9時点)を達成ています。
株式会社BEEMの動画は、特にユーザーに飽きさせない設計が秀逸です。
具体的には、3秒に一度は効果音やテロップ、人の入れ替わりがあり、目や耳でユーザーを楽しませる動画になっています。また、表情の豊かさがあって、エンタメ性を徹底しています。
トップYouTuberの動画の設計に通じるものがあるので、恐らくそこを徹底的に分析したのでしょう。
なお、TikTokのコンテンツは、YouTubeショートとInstagramリールにも投稿しており、そちらでも再生数を稼いでいる点もポイントです。
ただし、投稿内容がネタに振り切っているからなのか、『株式会社BEEM 怪しい』というキーワードで多く検索されています。
会社の個性を出す場合、ユーザーに与えるイメージとブランディングが合うかも意識しておきましょう。
ロート製薬【公式】
ロート製薬【公式】の運用ポイント
・ユーザーが知りたいと思う情報を発信しているためPR感を感じづらい
・立場を活かしたノウハウも提供
目薬やスキンケア用品などでお馴染みのロート製薬が運営するTikTokアカウントです。
同社の商品PRの動画がメインですが、ユーザーが知りたいと思う情報と合わせて発信しているため、PR感を感じづらいのが特徴です。
例えば、目の日焼け対策方法を紹介し、それでも日差しを浴びてしまった場合のケアとして自社製品の目薬を紹介するといった感じです。
また、『日焼け止めの正しい量』『日焼け止めの正しい塗り方』など、自社の立場を活かしたノウハウも提供しています。
三和交通@TAXI会社
三和交通@TAXI会社の運用ポイント
・コンテンツ持つギャップ感
・PR色を感じないコンテンツ
・毎日投稿できる運用ハードルの低さ
『踊るタクシーおじさん』というコンテンツの持つギャップ感が、ユーザーを惹きつける三和交通@TAXI会社。
『TikTok2021上半期トレンド』クリエイター部門にもノミネートされ話題となった会社です。
SNS運用は元デザイナーの社長の提案で開始したそうで、TikTokの投稿のほとんどがタクシーと関係なく、PR色が一切感じられません。
投稿全体としても良い意味の『くだらなさ』があり、ユーザーを惹きつけています。
細かい動画編集をせずに運用ハードルを下げていることもポイントです。投稿を作成するまでに必要な時間が少ないためか、ずっと毎日投稿が続いています。
焼鳥どん日垣兄弟
焼鳥どん日垣兄弟の運用ポイント
・絞ってから一般化された共感しやすいテーマ設定
・まるで芸人のコントような面白さ
・食べログのリンクを動画に追加して間接的に広告
焼鳥どん日垣兄弟は、TikTokの『飲食店あるある』の投稿で人気を集める焼き鳥屋です。
このアカウントはテーマ設定が非常に良いです。TikTok公式noteのインタビューで以下のように語られていますが、『絞って一般化』を行うことでユーザーに共感されるテーマを設定しています。
「キーワードは“絞って一般化する”です。まずは焼鳥屋ならうちのように焼鳥屋に特化したネタを投稿する。ただし、自分のお店だけに当てはまる話をしても意味がわからないので、そこは少し一般化して“焼鳥屋あるある”を投稿するんです」
採用から集客まで、すべてTikTokで。客足が途絶えないTikTokフォロワー13万人超の焼鳥屋で起きていること<焼鳥どん日垣兄弟インタビュー>
投稿者の日垣さんのトーク力も高く、まるで芸人のコントを見ているかのように楽しく見ることができます。
また、飲食店は食べログのリンクを投稿に追加することができるため、投稿内のアカウント名の上に「リンクを表示」という形でリンクに誘導させることができます。
通常はプロフィールのリンクから遷移してもらうしかないので、これは飲食店がTikTokをやるメリットと言えるでしょう。
実際、焼鳥どんでは各店舗で一日平均5名は「TikTokを見ています」と来店されるそうです。また、Twitterでダルビッシュ有にツイートされるなど、その認知度は業界でも有数になったと言えるでしょう。
焼き鳥屋なら焼き鳥どんに行きたいです。 https://t.co/YqctRvelgY
— ダルビッシュ有(Yu Darvish) (@faridyu) August 8, 2020
川崎ブレイブサンダース
川崎ブレイブサンダースの運用ポイント
・プレー動画を中心に毎日投稿
・プレーのレベルが高い動画のため視聴回数が高水準
川崎ブレイブサンダースはB.LEAGUE所属のプロバスケットボールチームで、試合中のプレー動画を中心に毎日投稿を行なっています。
川崎ブレイブサンダースはプロチームということもあり、プレーのレベルが高い動画のため、視聴回数の水準が高いのが特徴です。
TikTokはフォロワー数によって再生回数が優遇されるわけではありません。従って、例えばさきほど紹介した三和交通@TAXI会社では、数千回しか再生されてない動画も存在します。
何かずば抜けた技術や特徴を持つ会社は、それを打ち出していけば良いという好例でしょう。
TikTok企業アカウントを運用する際の注意点
炎上リスクがある
SNS全般に言えることですが、発信するメッセージを間違えると炎上するリスクがあることは念頭に置いておきましょう。
企業イメージやブランド価値を落とさないためにも、まずは炎上を起こさないメッセージを発信するというのが大切です。
その前提を持ったうえで、TikTokを運用するようにしましょう。
生活者の支持を得るため、今の広告業界ではトレンドだからと言って安易に社会課題に踏み込んだ広告を打ち出すことは、SNSの炎上のような思わぬ批判や議論を生み、ブランドを毀損することにもなります。最近の事例では、花王の生理用品の広告で、「生理を〝個性〟ととらえれば、私たちはもっと生きやすくなる」というメッセージの広告キャンペーンが、SNSを中心に多くの女性からの批判を受けました。
三浦 崇宏. 超クリエイティブ 「発想」×「実装」で現実を動かす (Japanese Edition) (Kindle の位置No.1155-1159). Kindle 版.
誰もが知る大企業ですらこのような炎上が起きるので、私たちが注意してもし過ぎることはないでしょう。
今の時代に合った倫理的感覚を持って、メッセージを調整することが大切です。
リーチするユーザーが若年層に寄りやすい
TikTokは普及し始めた頃よリ年齢層は高くなっているものの、未だに若年層のユーザーが多いです。
画像で示したのは2021年のデータですが、他のプラットフォームと比べても若年層の比率が高いことが分かります。
従って、TikTokを運用していくと、リーチするユーザーは若年層に寄る可能性が高いです。
ただし、TikTokではリーチしたユーザーの年齢層を解析することができないため、若年層に寄りやすいという前提だけ理解しておくと良いでしょう。
まとめ
この記事ではTikTokの企業アカウントの運用事例と、それぞれの運用のポイントを明らかにしてきました。
既に述べた通り、TikTokは企業アカウントを運用する上で、以下のような目的と親和性が高いです。
- 企業や商品の認知度向上
- 企業や商品のブランディング
- 低価格商品の売上向上
もしこれらの目的が自社に合致する場合は、ぜひTikTok運用に挑戦してみてください。
そして、本記事があなたの企業アカウントを運用する手助けになれば、筆者として大変嬉しく思います。
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